秋の味といえば、さんま。
焼いたさんまを開いてみると、身や骨の一部が緑色になっていることがあります。
初めて見ると、
「カビ?」
「傷んでる?」
「何か変なものを食べていたのでは?」
と少し不安になりますよね。
でも、この緑色は腐敗やカビとは限りません。
さんまでよく見られる緑色の正体は、ビリベルジンという色素です。
さんまの骨や身が緑色になる正体はビリベルジン
ビリベルジンは、ヘモグロビンなどに含まれるヘムが分解される過程でできる緑色の色素です。
ヘムは分解されると、
ヘム → ビリベルジン → ビリルビン
という順番で代謝されます。
ビリベルジンは青緑色、ビリルビンは黄~橙色に近い色をしています。
魚ではこのビリベルジンが胆汁色素として存在していて、骨や身の一部が青緑色に見えることがあります。
さんまの場合も、内臓や胆汁由来の色素が身や骨に付着したり、魚体内のビリベルジンによって緑色に見えたりします。
そのため、
「さんまを焼いて開いたら骨が緑色だった」
ということ自体は珍しい現象ではありません。
緑色のさんまは食べても大丈夫?
ビリベルジンによる緑色であれば、基本的に食べても問題ありません。
魚類では骨や筋肉部分がビリベルジンによって青緑色に見えることがあり、この色素自体が食品として問題になるものではありません。
実際、さんまの身に青色や緑色のものが付着している場合についても、胆汁色素のビリベルジンなどによるもので、食べても問題ないと案内されています。
見た目がかなり鮮やかな緑になることがあるので驚きますが、色だけを見て「腐っている」と判断する必要はありません。
ただし、
変なにおいがする
身が異常に崩れている
ぬめりなど明らかに普段と違う状態がある
場合は、緑色とは別の問題として鮮度を確認した方がいいです。
ビリベルジンは血液中のヘムが分解されてできる
ビリベルジンという名前だけ聞くと、かなり特殊な物質のように感じます。
ですが、もともとは血液などに含まれるヘムが分解される過程でできる物質です。
赤血球中のヘモグロビンにはヘムが含まれています。
このヘムが分解されると、まず緑色のビリベルジンになり、その後黄色~橙色のビリルビンへ変化します。
そのため、さんまの緑色は「何か謎の異物が付着している」というより、生体内にもともと存在する色素が見えていると考えると分かりやすいです。
黄色やオレンジ色に見える場合もある
さんまの身や骨の周辺が、緑色ではなく黄色やオレンジ色っぽく見えることもあります。
これはビリルビンなど胆汁由来の色素による場合があります。
ビリベルジンが緑色、そこから生成されるビリルビンが黄色~橙色なので、胆汁色素の状態によって見える色が変わります。
緑色だから異常、黄色なら正常ということではありません。
魚体内の色素によって、見え方が変わるということです。
刺身や肉が虹色に光るのは別の現象
ちなみに、刺身やハム、薄切り肉などを見たときに、表面が虹色に光って見えることがあります。
これは、さんまがビリベルジンで緑色になる現象とは別です。
肉や魚を鋭利な刃物で切ると、筋繊維が規則的に並んだ断面ができます。
そこへ光が当たると、光が回折・干渉して虹色に見えることがあります。
そのため、角度を変えると色が変わったり、虹色の光沢が消えたりします。
肉の虹色については、品質低下や腐敗を意味するものではないことも確認されています。
つまり、
さんまの骨や身が緑色 → ビリベルジンなどの色素
刺身や肉の表面が虹色に光る → 光の回折・干渉
と分けて考えると分かりやすいです。
まとめ
さんまを焼いて骨や身が緑色になっていると驚きますが、その正体の一つがビリベルジンです。
ビリベルジンはヘムが分解される過程でできる緑色の色素で、魚の骨や筋肉が青緑色に見えることがあります。
ビリベルジンによる色であれば、基本的に食べても問題ありません。
見た目だけだと少し毒々しく感じますが、
「緑色=カビや腐敗」ではない
ということを知っておけば、さんまを開いたときに慌てなくて済みます。


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